教育実習の最終日。この日の昼休みには、ほかのクラスの児童が折り紙で作った花束を渡したりみんなで先生と遊んだりしていました。
2年1組では5時間目の最後にお別れ会をすると聞いていたので、教室に向かいました。すると、教室から嗚咽(おえつ。泣いたりうめいたりするような声)が聞こえてきます。そっとのぞくと、子どもたちは先生とのお別れを惜しんで、もうあちこちで声を上げて泣く子がいました。実習生もこらえきれずに涙をぬぐいながら皆の顔を一生懸命みていました。子どもたちはこの時間のためにこっそりおうちで先生にお手紙を書いてきて、それを読んで渡しました。実習生からも、ひとりひとりにお手紙が手渡され、みんなとてもうれしそうに後ろを向いて「ありがとうございます」と手紙を高く持ち上げて写真を撮っている私に協力してくれました。終わりのあいさつの後は先生にしがみつく子が列を作っていました。帰る前には、実習生から一人ずつに学級農園で収穫したサツマイモを手渡してもらいお別れをしました。
大好きな人とお別れするとき、「寂しいな」と感じること、その表現が暗い表情になったり、声を上げて泣いたりすることなど、個人差はあるものの、それが心を豊かに育ててくれます。また、わーんと泣ける学級は、友達同士がお互いの感情を受け止められる関係をつくっているから泣けるのです。すぐにおうちに帰った子はもしかしたら目が赤くなっていたかもしれません。でもこんな経験ができることはとても素敵なことです。また、実習生にとっても一生忘れない体験になったことでしょう。きっといい先生になってくれると期待しています。